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人とのつながりを非常に大切にしているお米屋さん~丸二商店~ 

執筆者の写真: 編集 さささんぽ編集 さささんぽ

 今回は名古屋市東区にある丸二商店というお米屋さんに取材させていただきました。 

 

 

 

丸二商店さんは、先々代の岩田整佶さんが昭和27年に旭丘販売所を創業しました。そして先代の岩田元秀さんが跡を継ぎ、現在三代目の岩田竹生さんが跡を継ぐ、70年以上続く歴史ある企業です。丸二商店さんではお米、杵つき餅、手作りお菓子、赤飯、おこわなどこだわりの商品を数多く販売しています。 

そんな魅力ある丸二商店さんについて詳しく知るべく、三代目代表取締役岩田竹生さんにお話を伺いました。 

 


 

 

・独自のこだわりや大切にしていること 

・仕事のやりがい 

・強みや自信を持っている点 

・オンライン通販のようなネット社会での活動 

・存続の秘訣 

・仕事を通じて「心が動く瞬間」 

・今後の展望 

・老舗企業の役割 

こちらの8つの項目に分けてQ&A形式で紹介していきたいと思います。 

 

--大切にしていることは何ですか? 

 

「人とのつながりだよね、一番は。お客様も取引先も、すべて“対等”な関係であると思っている。」と語る岩田さん。令和の米騒動の際も、代々人を大切にし続けてきたおかげで農家との関係を維持し、米騒動が起きても優先的に供給してもらうことができたそうです。「物がなければ商売はできない。だからこそ、繋がりを持っていることがやっぱり大事だよね。」と続けます。岩田さんは、一次産業を大切にし、農家との関係の中で値切ることなく、正当な取引を行う姿勢を大事にしてきました。「一次産業がなければ、私たちの商売も成り立たない。」と、農家との関係を尊重する姿勢を強調されました。 

 

--やりがいは何ですか? 

 

「“ありがとう”と言われることだね。」と語る岩田さん。お客様にとって、丸二商店が必要不可欠な存在であることを目指し、買い物の楽しみを提供しています。日常的に利用する店ではなくても、「困った時に思い出してほしい」という思いを込めて、いつでもお米があることをお客様に伝えられることがやりがいだと感じています。「義理を大切にして、商売をしている。」と、信頼関係の中で続けてきた姿勢を大切にされていることが伺えます。 

 

--強みや自信を持っている点は何ですか? 

 

「中途半端なことが、実は強み。」と語る岩田さん。米屋としては大手ではありませんが、個人店よりも規模が大きいため、新しい取り組みを試すことができるのが強みです。何でもやってみるという前向きな姿勢で、お客様のニーズに応え、小回りの利く対応を心がけています。50代以上のお客様をメインターゲットに、懐かしい家庭の味を提供し、新商品を生み出すことができるのも、この柔軟な対応力のおかげです。 

 

また、餅に関しては特に自信を持っています。原料を自ら選び、その年のブレンドを決め、70年使い続けている機械でこわ餅を作り続けています。年末限定ではなく、注文があれば一年中提供していることが強みです。お客様から「やっと出会えた」と涙を浮かべられるほど、評価の高い餅を提供しています。 

 

--オンライン通販やネット社会での活動についてはどう考えていますか? 

 

「たまたま良いホームページを作ってくださる方とのご縁があって。」と語る岩田さん。ホームページはアクセス数が重要ですが、まずしっかりと作り込まないと上位表示されません。しかし、知っている人が検索で見つけてくれることで、丸二商店の商品が注文されることもあります。「ネットは色々なところと繋がれるから、面白いね。」と、オンライン活動の可能性に期待を寄せています。 

 

--存続の秘訣は何ですか? 

 

「綱渡りだね、ギリギリなんとか生かしてもらっている感じ。」と語る岩田さん。米は今やドラッグストアやスーパー、どこでも手に入る時代です。そんな中、あえてこの店で米を買うお客さんがいることが、存続の秘訣だと言います。 

「利益を大きく上げているわけでもないし、貢献しているとも言えない。ほんとすごい助けてもらってばっかりで(笑)。」人との繋がりがこの店を支えてきたことを改めて実感し、「少しでも自分たちができることをしていきたい」と、これからの未来を見据えていました。 

老舗店の生存の秘訣は、地域の人々との深い繋がり、そしてその繋がりを大切にしながら続けていく姿勢にあることがわかります。 

 

--仕事を通じて「心が動く瞬間」はどんな時ですか? 

 

「『ありがとう』って言われると嬉しいね。最近は令和の米騒動もあって、『ありがとうねー!』って言って帰っていくお客様も増えたよ。」 

岩田さんは、米だけでなく、人気のよもぎ大福も楽しみにしてくれるお客様がいることに喜びを感じています。 

「コアなファンがいて、遠くからわざわざ買いに来てくれるのが本当に嬉しい。大々的には宣伝していないけど、わかってくれる人がいると心の中でガッツポーズしちゃうね(笑)。」 

さらに、お餅の美味しさに感動してくれるお客様のエピソードも。 

「テレビCMでも見かける市販の切り餅しか知らなかったお客様が、うちのお餅を食べて『こんなに美味しいんだ!』って驚いてくれた時は、こちらもじーんときちゃう。」 

お店は地域との繋がりが深く、従業員も親戚や知り合いが多いとのこと。 

「パートさんも10年以上働いてくださっていて、子育てや生活面でもアドバイスをもらっている。公私共に助けられていて、本当にありがたい。」お客様だけでなく、スタッフとの温かい関係も大きな力になっているようです。 

 

--今後の展望は? 

 

「繋がりを大事にしながら生き残ることだね。」と、真剣な眼差しで語ってくれました。多くの米屋が経営を続けられなくなっている中、いつ終わりが来るかわからない状況に直面していると言います。米の安売り合戦で経営が厳しくなり、加工品を扱うことに踏み切ったのもその一環でした。倉庫の前で五平餅を焼いたのが始まりで、徐々に商売の幅を広げていきました。「常に綱渡りみたい。いつ落ちてもおかしくないようだけど、ありがたいことにあっちこっちから支えて守られている。」と、偶然の巡り合わせや周りとのに感謝の気持ちを強調されていました。 

現在では、米屋ならではの加工品を多く取り揃えています。「手軽に買えて、小さな子どもでも安心して食べられる商品にこだわって今後も作っていきたい。」と、将来のビジョンを明かしてくれました。 

 

--老舗企業の役割とは? 

 

「地域のお祭りに興味を持つ人々に対して、壁を壊して参加しやすくすることや、農家からの食材を消費者に繋ぐことなど、70年以上の歴史を持つ老舗として長年培った信頼を基に様々な橋渡しを行い、人と人を繋ぐことが役割だと思う。」と、語ってくれました。 

また、岩田さんは障害を持たれている方々への応援や児童養護施設への寄付を通じて、困っている人々への助けを提供し続けてきました。善意が時に相手の負担になることもあると知り、寄付や支援の在り方についても学びながら、より適切な形での支援を模索しています。特に障がい者雇用に関しては、実際にバリアフリー交流会(※)で障がい者同士が教え合う体験活動を推進しています。 

「僕の役割は、現実を伝えること。そして、その話を聞いた100人のうち1人でも動いてくれたら、それだけでもプラスになる。」と話し、異業種交流会の理事を務めていた時には、多くの人にこの現状を伝え、共に支援の輪を広げる活動を続けていました。 

 

(※)会員企業と障がいのある方々との出会いの場、可能性を見出す場として開催する交流会 

 


 

 

先ほど紹介した通り、丸二商店ではお米だけでなくお餅や大福などの加工品も充実しています。 

実際に私たちが食べたのは、「くるみだれの五平餅」と「わらび餅ドリンク」です。五平餅は、ごまの豊かな風味とくるみの香ばしさが口いっぱいに広がりました。お米のつぶつぶとした食感も残しつつ程良いもちもち感が楽しめます。特に、くるみだれは丸二商店オリジナルで、他では味わえない美味しさが魅力です。 

わらび餅ドリンクは、「黒蜜ミルク」と「抹茶ミルク」の2種類があります。ドリンクにはぷるぷるとろとろのわらび餅がたっぷりと入っており、その食感が飲み物と絶妙にマッチしています。柔らかなわらび餅とミルクの甘さが口の中で溶け合い、想像を超える美味しさでした。 

 

 

 


 

 

 

丸二商店では、急速冷凍技術により、無添加のお餅を最大-40℃で急速冷凍し、搗きたての柔らかさと美味しさをそのままご自宅にお届けしています。解凍後も搗きたての美味しさが再現できるので、お店で味わった五平餅のように、食感や風味がしっかりと楽しめます。冷凍保存をしておけば、いつでも搗きたての美味しさを味わえます。 

冷凍で売っているお餅はのし餅、しろこわ餅、のりこわ餅、玄米餅、きび餅、よもぎ餅、豆餅の七種類、店でメニューとして出しているのが、きなこ餅、あんころ餅、みたらしのたれ餅、チョコ餅、カレー餅、ピザ餅の六種類を展開しています。 

ぜひご自宅用や手土産にいかがでしょうか! 

 

 

【最後に】 

取材を通して感じたのは、岩田さんの人柄の温かさでした。自分のできることをコツコツと続け、常に周囲の人や地域を大切にする姿勢が、多くの人を引き寄せ、支えたいと思わせるのだと感じました。老舗としての歴史や役割以上に、岩田さん自身が人と人を繋ぐ「架け橋」として、これからも地域に貢献していく姿が目に浮かびます。 

 

おまけ:お店の入り口には、岩田さんの娘さんが描いた「ダリンちゃん」というオリジナルキャラクターも!ぜひ「ダリンちゃん」に会いに、お店に訪れてみてください! 

 

取材にご協力してくださった丸二商店の皆様、ありがとうございました。 

 

 

店舗情報 

所在地  〒461-0049 

愛知県名古屋市東区古出来1丁目7-14 

電話番号 052-722-3550 

FAX      052-722-0251 

月~金曜日:11時30分~17時30分 

土曜日:10時30分~16時 

日祝:定休日 

 

ホームページ 

 

公式Instagram 

 

【取材・執筆】川口・磯貝 

この記事は2024年9月の情報です。 

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